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ヨーロッパ、アルティザン達との出逢い④

2023.8.8

#海外出張記録

社長のSimon(サイモン)です。

前回のブログでは、2023年7月のイタリア出張の途中までを紹介しました。今回はその続きですね。

スイスに近い、イタリア最北部のアルトアディジェ州を出発し、私たちは半日でトスカーナ郊外のカステルフィオレンティーノにある「ダヴィナム」を訪問しました。自称、ブティックワイナリーという事もあり、非常にお洒落なワイナリーでした。

これが、ワイナリーのウェルカムルームです。

そして、こちらがその奥にある、ワインセラーです。フランス産のバリック樽や、奥にはセラミック樽も並んでいます。ワイナリーの熟成庫(セラー)というよりは、ショールームのような雰囲気です。そして、クラシック音楽がスピーカーから流れ、別世界にいるようなロマンティックな空間になっています。

トスカーナですから、やはり赤ワイン、やはりサンジョヴェーゼという事です。只、このワイナリーはブレンドワインにも力を入れていて、シラー、メルロー、プッ二テーロやフォリオ・トンダをサンジョヴェーゼとブランドした「Nostrum」というワインも造っています。更に、プッ二テーロはシングルグレープの長期熟成版があり、これは素晴らしい高級ワインに仕上がっています。

実は、このお洒落なワイナリー訪問のあと、ブドウ園に囲まれたオーナー・ダニエルさんの邸宅にお招きいただきました。そこで、プライベート・シェフが作るフィレンツェ料理を振舞っていただいたのです。最後に出てきたメインコースが「ビステッカ・アラ・フィオレンティーナ」だったんですが、そのサイズは何と2KG!ご覧ください!!圧倒的に、人生ナンバーワンのステーキでした。このシェフも「アルティザン」ですね。

さて、翌日、私たちはトリュフ工場を訪問しました。「いきなり、トリュフ?」なんて感じですが、イタリア商工会議所の紹介だったので、良い経験になるだろうという事で行ってきました。

待ち合わせの早朝時間に本社前へ行くと、フランチェスカさんが「出掛けましょう!ついてきてください」と一声言うと、直ぐに車を出してしまいます。「ええっ!?、どこへ?」と言う間もなく、車に飛び乗り、フランチェスカさんが運転する車を追いかけます。15分ほど、6か所のロータリーをグルグルと行ったら、こんどは丘の上を目指して山道を登り始めます。そして、塗装道路がなくなり、砂利道を5分ほど登り、ようやく、目的地に着きました。そこには、既に早老のハンターが犬と一緒に待っています。そうです。ご想像の通り、いきなりトリュフハンティングに参加する事になります。

ここで少し豆知識ですがトリュフは年間を通して6種類くらい、収穫できる時期も異なります。夏場の熱い時期は「サマートリュフ」がメインで有名な「白トリュフ」や「黒トリュフ」は採れません。そして、サマートリュフは、比較的、土の表面に近い木の根元に埋まっているので、トリュフ犬も探し出すのが早いです。

アルティザン食品でも、今後、トリュフの加工食品を取り扱おうと思います。

イタリアの夏場の暑さを感じながらの旅も終盤に差し掛かってきました。次は、フィレンツェから更に南下し、ウンブリア州のアッシジにある「ティリ・ヴィニ」を訪問しました。実は、このワイナリーは私の父が20年以上前に訪れていて、ここワイナリーの赤ワインを実家で沢山飲んだのを思い出します。

そんな縁のあるファミリーワイナリーなのですが、アメリカからの観光客(ローマを観光し、アッシジの宗教的な巡礼をしたついでに訪れるコースらしい)に結構人気があります。私たちが訪問したのは午後2時くらいでしたが、前日の接客でティリファミリーも眠そうな顔をしていました。そんな、「ティリ・ヴィニ」で対応いただいたのは接客魂がにじみ出る笑顔のアナローラさん。どかっと、私たちの前に座ると、ポンポンと新しいワインボトルを次々に空け、おつまみもしっかりと準備していただき、そして愈々、テイスティングが始まります。

「うーん」と唸りつつ、ワインを味わっている私たちを一目見ると、間髪入れずに、ワイナリーの物語が始まります。「ワインは当然美味しいでしょ!」と言わんばかりに、私たちの感想を聞くまでもなく、イタリア半島の温暖化問題、新しいブドウ品種への継続的な挑戦、有機栽培への移行、そして、ワイン造りに対するティリ・ファミリーの歩みなどを語り続けました。その間、終始、トリュフ犬のオリーブが私にボール遊びをねだり、忙しいテイスティング体験となったのです。

でも、こういう不思議な体験がずっと記憶に残るんだと思います。感謝、感謝。。。

さあ、イタリア最後のワイナリー訪問が終わり、後は3日間の「ローマの休日」という流れではあったんですが、私は家族をローマにおいて、一人でポルトガルへ出張しました。

これが、今回の出張最後のワイナリー「カサ・エルメリンダ・フレイタス」です。ローマの暑さから打って変わり、ポルトガルの首都リスボンは大西洋の風で爽やかなバカンス気候でした。終始、摂氏25度を超える事はなく、一人で訪れるのが勿体ないと思うくらいでした。天候はさておき、肝心なワイナリーですが、最後のワイナリーに相応しいポルドガル随一の大手ワイナリーです。

ワインの年間生産量は1400万本という、「桁一つ間違えてません?」と聞いてしまいそうな実績です。東京の展示会で貿易部のマルシオさんとの出会いがなければ絶対に縁のなかったワイナリーです。そんな大手ワイナリーですが、ワイナリー内の見学が終わると、オーナーのレオノール夫人と次期経営者のジョアナさんが私に挨拶に来てくれたのです。これだけワイナリーが大きくなっても、私のような設立直後のインポーターに挨拶に来るとは、この顧客を大切にする精神がワイナリーの飛躍を支える原動力だったんでしょうね。

ブログという事で、好き放題に長々と書きました。手前勝手ですが、ここで私たちの旅立を支えるべく取引きを承諾してくれたヨーロッパのワイナリー、チーズ工房の皆様に心から感謝を申し上げます。

彼ら、アルティザン達の期待に答えられるように我が道を邁進してまいりたいと存じます。

今後とも、お贔屓のほど、宜しくお願い申し上げます。

高階 才文